変数は値を格納することができます。プログラムで変数に格納する書き方として、別の変数を値として指定したり、直接データを指定したりします。この節では直接データを指定する方法を学習します。プログラムの中で直接指定するデータを「リテラル」と呼びます。
C言語では次のような種類のリテラルを使います。
・ 整数
プログラムで整数値を指定するとint型、unsigned int型、long型、unsigned long型のうちのいずれかとして扱われます(int型の値を超える場合はlong型など)。特定のデータ型として指定したい場合は「サフィックス」を使って表現します。
データ型名 | サフィックス | 指定例 |
---|---|---|
int型 | (なし) | 123 |
unsigned int型 | u(もしくは、U) | 123u(もしくは、123U) |
long型 | l(もしくは、L) | 123l(もしくは、123L) |
unsigned long型 | ul(もしくは、UL、Ul、uL、lu、LU、Lu、lU) | 123ul(もしくは、123UL、123Ul、123uL、123lu、123LU、123Lu、123lU) |
・ 小数点型
プログラムで小数値を指定するとdouble型として扱われます。特定のデータ型として指定したい場合は次のようなサフィックスを使用して表現します。
データ型名 | サフィックス | 指定例 |
---|---|---|
float型 | f(もしくは、F) | 123.5f(もしくは、123.5F) |
double型 | (なし) | 123.5 |
・ 16進数表現
プログラムでは数値を指定すると10進数で表します。C言語では10進数と16進数で表現できます。16進数で表現するには次のように指定します。
基数 | 記号 | 指定例 |
---|---|---|
16進数 | 0x | 0xFFFF |
プログラムでは文字列を指定するときは「"(ダブルクォーテーション)」で囲います。ただし、変数名を指定する場合は「"」は必要ありません。 プログラム内で文字列は、char型の配列(配列は後の節で説明)に格納して扱います。
プログラムでは文字を指定するときは「’(シングルクォーテーション)」で囲います。また文字には、エスケープシーケンスと呼ばれる特殊な文字が用意されています。
エスケープシーケンス | 文字 |
---|---|
¥' | 単一引用符 |
¥" | 二重引用符 |
¥¥ | 円記号 |
¥0 | Null文字 |
¥a | ビープ音 |
¥b | バックスペース |
¥n | 改行 |
¥r | キャリッジリターン |
¥t | 水平タブ |
C言語には「NULL」値という特別な値を扱うことができます。この値は、何も参照していない状態を表します。