戻り値

関数で処理した結果を、関数を呼び出す側に渡すためには戻り値を指定します。戻り値は戻すデータのデータ型を、戻り値のデータ型として指定します。

関数の定義内でデータを呼び出し側に戻すには次のように指定します。

戻り値指定の書式
retrun ;

これから、戻り値を指定するいくつかのパターンを見てみましょう。

■ 戻り値を指定しない

戻り値を指定しない場合は戻り値の型を「void」と指定します。

○ ファイル

次のようにファイルを作成してください。

ファイル名 ReturnTest1.java

サンプルダウンロード

○ プログラム

次のようにプログラムを入力してください。

ReturnTest1.java

  1. import java.io.*;
  2. class ReturnTest1{
  3.     //戻り値を返さない関数
  4.     public static void add(int num1, int num2){
  5.         System.out.println("合計:" + (num1 + num2));
  6.     }
  7.     public static void main(String[] args) throws Exception{
  8.         //データを入力する準備をする
  9.         BufferedReader br = new BufferedReader(new InputStreamReader(System.in));
  10.         //データを入力する
  11.         System.out.print("数値1:");
  12.         int data1 = Integer.parseInt(br.readLine());
  13.         System.out.print("数値2:");
  14.         int data2 = Integer.parseInt(br.readLine());
  15.         //関数の呼び出し
  16.         add(data1, data2);
  17.     }
  18. }

○ コンパイルと実行

C:¥work>javac ReturnTest1.java
C:¥work>java ReturnTest1
数値1:20
数値2:30
合計:50

C:¥work>

○ フローチャート

戻り値フローチャート

○ 解説

5~7行目では、関数を定義しています。この関数は仮引数を二つ用意しています。整数値を受け取ります。そして、戻り値は「void」と指定しているので、ありません。2つの整数を加算し、表示して呼び出し元に戻ります。

今回はmain関数で加算したい数値を入力しています。add関数を呼び出す時に加算したい二つの入力データを渡しています。今回は、計算と表示をadd関数が担当しています。

■ 戻り値を指定する

戻り値は一つ指定することができます。戻り値を指定する場合は、関数の定義で戻り値のデータ型を指定します。

○ ファイル

次のようにファイルを作成してください。

ファイル名 ReturnTest2.java

サンプルダウンロード

○ プログラム

次のようにプログラムを入力してください。

ReturnTest2.java

  1. import java.io.*;
  2. class ReturnTest2{
  3.     //戻り値を返す関数
  4.     public static int add(int num1, int num2){
  5.         return num1 + num2;
  6.     }
  7.     public static void main(String[] args) throws Exception{
  8.         //データを入力する準備
  9.         BufferedReader br = new BufferedReader(new InputStreamReader(System.in));
  10.         //データを入力
  11.         System.out.print("数値1:");
  12.         int data1 = Integer.parseInt(br.readLine());
  13.         System.out.print("数値2:");
  14.         int data2 = Integer.parseInt(br.readLine());
  15.         //関数の呼び出し
  16.         int answer = add(data1, data2);
  17.         //処理結果を表示
  18.         System.out.println("合計:" + answer);
  19.     }
  20. }

○ コンパイルと実行

C:¥work>javac ReturnTest2.java
C:¥work>java ReturnTest2
数値1:40
数値2:60
合計:100

C:¥work>

○ フローチャート

戻り値フローチャート

○ 解説

5~7行目では、関数を定義しています。この関数は仮引数を二つ用意しています。整数値を受け取ります。そして、戻り値の型は「int」と指定しているので整数値が返ります。2つの整数を加算し、呼び出し元にその結果を返します。

今回はmain関数で加算したい数値を入力しています。add関数を呼び出す時に加算したい二つの入力データを渡しています。今回は、計算をadd関数が、計算結果の表示をmain関数が担当しています。

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