ポリモーフィズムを実現させるにはいくつかの方法があります。ここでは、インターフェイスについてみてみましょう。インターフェイスは、抽象メソッドや抽象プロパティなどで構成されます。インターフェイスは「interface」キーワードを使って定義します。
インターフェイス定義の書式 |
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interface クラス名{ 抽象メソッド定義… } |
インターフェイスはインスタンスを生成できません。別のクラスで実装し、抽象メソッド等をオーバーライドして利用することができるようになります。 実装はクラスの継承と違い、カンマ区切りで複数指定することができます。
インターフェイス実装の書式1 |
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class クラス名 implements インターフェイス名, インターフェイス名…{ 各種定義… 抽象メソッドのオーバーライド } |
インターフェイス実装の書式2 |
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class サブクラス名 extends スーパークラス名 emplements インターフェイス名…{ 各種定義… 抽象メソッドのオーバーライド } |
○ ファイル
次のようにファイルを作成してください。
ファイル名 | IDrip.java |
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○ プログラム
インターフェイスを作成しましょう。今回はドリップを表すインターフェイスを作成します。このインターフェイスは、主に飲み物に実装させる予定です。実装したクラスでは飲み物の注ぎ方を定義させます。
○ クラス図
○ 解説
2、3行目で、抽象メソッドを宣言しています。メソッドの仕様は決まっているので、このメソッドを使用するにはオーバーライドして処理を実装する必要があります。
○ ファイル
次のようにファイルを作成してください。
ファイル名 | Coffee.java |
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○ プログラム
次に、ドリップインターフェイスを実装したコーヒークラスを作成しましょう。
○ クラス図
○ 解説
6~8行目では、IDripインターフェイスのdripメソッドをオーバーライドしています。このメソッドはフィールドに設定されている飲み物を返します。今回はコーヒーが注がれるイメージとして文字列を返しています。
11~13行目では、IDripインターフェイスのdripWithMilkメソッドをオーバーライドしています。このメソッドはミルクとコーヒーを返すことでミルクコーヒーを注ぎます。
○ ファイル
次のようにファイルを作成してください。
ファイル名 | Run5.java |
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○ プログラム
では次にCoffeeクラスを利用するプログラムを作成しましょう。次のように記述してください。
○ 解説
4行目では、コーヒーオブジェクトを生成しています。そして、7行目と10行目でオーバーライドしたメソッドを呼び出しています。
○ 実行結果
Drip:コーヒー
DripWithMilk:ミルクコーヒー(微糖)
今回のようにインターフェイスを実装したオブジェクトは1つだけ利用してもあまり意味がありません。複数のオブジェクトで実装させることで効果が出てきます。次の節でその効果を確認してみましょう。