変数

 例えば、「2」と「3」を足した結果を教えてくださいと言われたとき、無意識のうちに「2」と「3」を記憶し、それらを足した結果を記憶して伝えることができます。コンピュータに同じことをさせようとすると、「2」を記憶する仕組みと、「3」を記憶する仕組みと、計算結果を記憶する仕組みが必要になります。その仕組みのことを変数と言います。変数は、データを入れておくことができる箱のようなものです。その箱は使用する前に、どのような名前なのか、どのような種類のデータを入れるのかを指定しなくてはなりません。これを変数の宣言と呼びます。

変数宣言の書式
Dim 変数名 As データ型

○ プロジェクト

 次のようにプロジェクトを作成してください。

プロジェクトの種類 コンソール アプリケーション
プロジェクト名 ValiableTest1

サンプルダウンロード

○ プログラム

 次のようにプログラムを入力してください。

  1. Sub Main()
  2.  '変数の宣言
  3.  Dim num As Integer
  4.  Dim str As String
  5. End Sub

○ 解説

 5行目では整数値を保存できるnumという名前の箱を用意しました。そして6行目では文字列を保存できるstrという名前の箱を用意しました。IntegerやStringといったキーワードは次の節に出てきます。変数の宣言を記述すると、プログラム実行時にコンピューター内のメモリに指定された保存領域を確保してくれます。

 変数名は、前節でも学習したように、ルールに従ってつける必要があります。変数を宣言したら、データを格納(記憶)することができます。これを代入と呼びます。

変数代入の書式
変数名 =

○ プロジェクト

 次のようにプロジェクトを作成してください。

プロジェクトの種類 コンソール アプリケーション
プロジェクト名 ValiableTest2

サンプルダウンロード

○ プログラム

 次のようにプログラムを入力してください。

  1. Sub Main()
  2.  '変数の宣言
  3.  Dim num As Integer
  4.  Dim str As String
  5.  '変数に代入
  6.  num = 123
  7.  str = "りんご"
  8.  '変数を表示
  9.  Console.WriteLine("num:" & num)
  10.  Console.WriteLine("str:" & str)
  11.  'コンソールが自動的に閉じないようにするためのダミー
  12.  Console.ReadLine()
  13. End Sub

○ 実行結果

num:123
str:りんご

○ 解説

 9行目と10行目は用意した変数にデータを代入しています。そして13行目と14行目で格納した変数のデータを表示しています。「Console.WriteLine()」はコンソールに改行付きで表示をします。「()」内で指定したデータを表示します。今回は表示するデータが分かりやすいように「変数名:データ」と表示されるようにしました。&は文字列結合の演算子です。

 17行目のConsole.ReadLine()はコンソール画面が自動的に閉じないようにするために記述しました。本来この処理はキーボードから入力されたデータを読み込むために使用します。

 また変数は、宣言と同時にデータを代入することもできます。これを変数の初期化と呼びます。

変数初期化の書式
Dim 変数名 As データ型 =

○ プロジェクト

次のようにプロジェクトを作成してください。

プロジェクトの種類 コンソール アプリケーション
プロジェクト名 ValiableTest3

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○ プログラム

 次のようにプログラムを入力してください。

  1. Sub Main()
  2.  '変数の初期化
  3.  Dim num As Integer = 765
  4.  Dim str As String = "みかん"
  5.  '変数を表示
  6.  Console.WriteLine("num:" & num)
  7.  Console.WriteLine("str:" & str)
  8.  'コンソールが自動的に閉じないようにするためのダミー
  9.  Console.ReadLine()
  10. End Sub

○ 実行結果

num:765
str:みかん

○ 解説

 5行目と6行目で変数の初期化がされています。変数を用意する際にあらかじめ格納するデータが決まっているのであれば、初期化をしておくことができます。

 変数を複数用意する場合は1行でも宣言することができます。

変数複数宣言の書式
Dim 変数名 As データ型, 変数名 As データ型 = ,

○ プロジェクト

次のようにプロジェクトを作成してください。

プロジェクトの種類 コンソール アプリケーション
プロジェクト名 ValiableTest4

サンプルダウンロード

○ プログラム

 次のようにプログラムを入力してください。

  1. Sub Main()
  2.  '変数の宣言
  3.  Dim num As Integer, str As String = "ばなな"
  4.  '変数に代入
  5.  num = 777
  6.  '変数を表示
  7.  Console.WriteLine("num:" & num)
  8.  Console.WriteLine("str:" & str)
  9.  Console.ReadLine()
  10. End Sub

○ 実行結果

num:777
str:ばなな

○ 解説

 5行目で変数の宣言と初期化を行いました。8行目で宣言しておいた変数にデータを格納しました。このように1行で変数の宣言(変数の初期化)を記述することができます。

 VBでは変数を宣言すると次の表のように自動的に初期化されます。

データ型 初期値
数値型 0
文字型 ''
文字列型 Nothing
クラス型 Nothing
Boolean型 False
Date型 0001/1/1 0:00:00
初期値

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