プログラムの中で処理を表現するために、演算子を使用します。次のような種類があります。
値を計算します。
演算子 | 意味 | 使用例 |
---|---|---|
+ | 一方の数値を他方の数値に足す | num1 + num2 |
- | 一方の数値を他方の数値から引く | num1 – num2 |
- | 数値の符号を反転させる | -num1 |
* | 一方の数値に他方の数値を掛ける | num1 * num2 |
/ | 一方の数値を他方の数値で割る | num1 / num2 |
¥ | 一方の数値を他方の数値で割ったときの商を求める(整数) | num1 ¥ num2 |
Mod | 一方の数値を他方の数値で割った時の余りを求める | num1 Mod num2 |
^ | 一方の数値を他方の数値で累乗する | num1^2 |
<< | 数値のビット・パターンを左にシフトする | num1 << 1 |
>> | 数値のビット・パターンを右にシフトする | num1 >> 1 |
○ プロジェクト
次のようにプロジェクトを作成してください。
プロジェクトの種類 | コンソール アプリケーション |
---|---|
プロジェクト名 | ArithmeticTest |
○ プログラム
次のようにプログラムを入力してください。
○ 実行結果
加算: 13
減算: 7
反転: -10
乗算: 30
除算: 3.33333333333333
除算(整数): 3
剰余: 1
べき乗: 100
左シフト: 20
右シフト: 5
○ 解説
5行目では2つの変数を宣言しています。8~17行目で算術演算をして結果を表示しています。今回はConsole.WriteLine()の指定の方法は複合書式指定文字列を使用しています。この方法は、文字列の中に「{}」を指定して、そのあと「,」で埋め込むデータを指定します。
16行目は変数のデータを2進数表現で左側にずらします。1つ、ずらすと10進数で2倍しているのと同じことになります。2つずらすと4倍、3つずらすと8倍と、1つずらすごとに2の2乗倍することになります。17行目は変数のデータを2進数表現で右側にずらします。1つずらすと、10進数で2で割っているのと同じことになります。2つずらすと4で割る、3つずらすと8で割ると、1つずつずらすごとに2の2乗で割っていることになります。
計算結果を代入します。
演算子 | 意味 | 使用例 |
---|---|---|
= | データを変数に代入する | num = 2 |
*= | 変数に格納されているデータと乗算し、その結果を変数に代入する | num *= 2 |
/= | 変数に格納されているデータと除算し、その結果を変数に代入する | num /= 2 |
¥= | 変数に格納されているデータと除算し、その整数の結果を変数に代入する | num ¥= 2 |
+= |
変数に格納されているデータと加算し、その結果を変数に代入する 文字列型の場合は文字列を連結し、その結果を変数に代入する |
num += 2 |
+= |
変数に格納されているデータと加算し、その結果を変数に代入する 文字列型の場合は文字列を連結し、その結果を変数に代入する |
num += 2 str += "2" |
-= | 変数に格納されているデータを減算し、その結果を変数に代入する | num -= 2 |
<<= | 変数に格納されているデータを左シフトし、その結果を変数に代入する | num <<= 2 |
>>= | 変数に格納されているデータを右シフトし、その結果を変数に代入する | num >>= 2 |
^= | 変数に格納されているデータとのべき乗を求め、その結果を変数に代入する | num ^= 2 |
&= | 変数に格納されているデータと文字列を結合し、その結果を変数に代入する | str &= "文字" |
○ プロジェクト
次のようにプロジェクトを作成してください。
プロジェクトの種類 | コンソール アプリケーション |
---|---|
プロジェクト名 | AssignmentTest |
○ プログラム
次のようにプログラムを入力してください。
○ 実行結果
代入: 10
べき乗: 100
乗算: 200
除算: 100
除算(整数): 33
加算: 35
減算: 30
左シフト: 60
右シフト: 15
文字列: メロンが食べたい。
○ 解説
8行目は変数numに値10を格納します。10行目は先ほど格納した10を2乗して再び変数numに格納します(変数の値は100)。12行目は先ほど格納した100に2を乗算して再び変数numに格納します。14行目は先ほど格納した200に2で除算して変数numに格納します。16行目は先ほど格納した100に3で除算した整数部分を変数numに格納します。18行目は先ほど格納した33に2を加算して変数numに格納します。20行目は先ほど格納した35に5を減算して変数numに格納します。22行目は先ほど格納した30を左に1ビット分ずらして、変数numに格納します。24行目は先ほど格納した60を右に2ビット分ずらして、変数numに格納します(格納される値は15)。
26行目は変数strに文字列"メロンが"を格納しています。27行目で変数strに格納されている"メロンが"に"食べたい。"を文字列結合して、再び変数strに格納しました。
文字列を結合します。
演算子 | 意味 | 使用例 |
---|---|---|
& | 複数の文字列を、1つの文字列に結合する | "abc" & "def" |
+ | 結合ずるデータが文字列なら結合、他方が数値の場合は文字列が数値に変換されて加算する | "123" + 456 |
○ プロジェクト
次のようにプロジェクトを作成してください。
プロジェクトの種類 | コンソール アプリケーション |
---|---|
プロジェクト名 | ConcatenationTest |
○ プログラム
次のようにプログラムを入力してください。
○ 実行結果
豆腐が好き
豆腐が食べたい
300.5
○ 解説
9行目は変数strに文字列"好き"を連結します。10行目も同様に、変数strに文字列"食べたい"を連結します。11行目は文字列"200"をDouble型の値に変換して、変数numと加算します。
条件を比較してBoolean値を算出します。
演算子 | 意味 | 使用例 |
---|---|---|
= | 2つのデータが等しいことを確認する | num1 = num2 |
<> | 2つのデータが等しくないことを確認する | num1 <> num2 |
< | 一方のデータが他方のデータより小さいことを確認する | num1 < num2 |
> | 一方のデータが他方のデータより大きいことを確認する | num1 > num2 |
<= | 一方のデータが他方のデータ以下であることを確認する | num1 <= num2 |
>= | 一方のデータが他方のデータ以上であることを確認する | num1 >= num2 |
Is | 2つのオブジェクト変数が同じオブジェクト・インスタンスを参照していることを確認する | str Is Nothing |
IsNot | 2つのオブジェクト変数が別のオブジェクト・インスタンスを参照していることを確認する | str IsNot Nothing |
Like | 文字列に指定したパターンが含まれるかどうかを確認する | Str Like "*a*" |
○ プロジェクト
次のようにプロジェクトを作成してください。
プロジェクトの種類 | コンソール アプリケーション |
---|---|
プロジェクト名 | ComparisonTest |
○ プログラム
次のようにプログラムを入力してください。
○ 実行結果
等しい: False
等しくない: True
より小さい: False
より大きい: True
以下: False
以上: True
空である: False
空でない: True
パターンを含む: True
○ 解説
8行目は変数num1の値と変数num2の値が等しいかどうかを判断します。等しくないのでFalseが出力されます。9行目は変数num1の値と変数num2の値が等くないかどうかを判断します。等しくないのでTrueが出力されます。10行目は変数num1の値が変数num2の値がより小さいかどうかを判断します。小さくないのでFalseが出力されます。11行目は変数num1の値が変数num2の値がより大きいかどうかを判断します。大きいのでTrueが出力されます。12行目は変数num1の値が変数num2の値以下かどうかを判断します。以下ではないのでFalseが出力されます。13行目は変数num1の値が変数num2の値以上かどうかを判断します。以上なのでTrueが出力されます。
14行目は変数strが空かどうかを判断します。文字列型のように参照型の変数は、格納される値はメモリのアドレス値なので、参照があるかないかの判断となります。参照先が設定されていない場合はNothingとなります。15行目は変数strが空でないかどうかを判断します。変数strには文字列"abc"の参照先がセットされているのでTrueが出力されます。16行目は変数strの文字列”abc”にパターンで指定されているように文字列”a”が含まれているので、Trueが出力されます。なお、パターンに指定している「*」はワイルドカードと呼ばれ、0個以上の文字を表します。パターンには次のような文字を指定することができます。
文字 | パターン内容 |
---|---|
* | 0個以上の文字 |
? | 任意の1文字 |
# | 任意の1桁(0-9) |
[文字] | 任意の1文字 |
[!文字] | 含まない任意の1文字 |
論理演算をしてBoolean値を算出します。
演算子 | 意味 | 使用例 |
---|---|---|
Not | ブール値の論理否定を求める | Not num1 < num2 |
And | 2つのブール値の論理積を求める | num1 > 1 And num1 < 10 |
AndAlso |
2つのブール値の論理積を求める(ショートサーキット) 必要な場合のみ2番目の論理演算を処理する |
num1 > 1 AndAlso num1 < 10 |
Or | 2つのブール値の論理和を求める | num1 > 0 Or num2 < 0 |
OrElse |
2つのブール値の論理和を求める(ショートサーキット) 必要な場合のみ2番目の論理演算を処理する |
num1 > 0 OrElse num2 < 0 |
Xor | 2つのブール値の排他的論理和を求める | num1 = 10 Xor num2 = 5 |
○ プロジェクト
次のようにプロジェクトを作成してください。
プロジェクトの種類 | コンソール アプリケーション |
---|---|
プロジェクト名 | LogicalTest |
○ プログラム
次のようにプログラムを入力してください。
○ 実行結果
否定: True
論理積: False
論理和: True
排他的論理和: False
論理積(省略): False
論理和(省略): True
○ 解説
8行目は変数num1と変数num2を比較します。今回は「10 < 5」となるので条件としてはFalseです。しかし、Notが付いているので否定として扱われ、Falseではない、つまりTrueと出力されます。
9行目は2つの条件判断の結果をもとに判断します。今回は「num1 > 0」でTrue、「num2 < 10」でFalseとなります。この2つの判断の結果を「True And False」のようにさらに判断します。結果はFalseになります。論理積は次のような結果が出力されます。2つの条件がTrueの場合のみTrueとなります。
条件1 | 条件2 | 出力 |
---|---|---|
false | false | false |
false | true | false |
true | false | false |
true | true | true |
10行目は2つの条件判断の結果をもとに判断します。今回は「num1 > 0」でTrue、「num2 < 0」でFalseとなります。この2つの判断の結果を「True Or False」のようにさらに判断します。結果はTrueになります。論理和は次のような結果が出力されます。2つの条件のうち少なくともどちらか一方がTrueであればTrueになります。
条件1 | 条件2 | 出力 |
---|---|---|
false | false | false |
false | true | true |
true | false | true |
true | true | true |
11行目は2つの条件判断の結果をもとに判断します。今回は「num1 = 10」でTrue、「num2 = 5」でTrueとなります。この2つの判断の結果を「True Xor True」のようにさらに判断します。結果はFalseになります。排他的論理和は次のような結果が出力されます。2つの条件の結果が違えばTrueになります。
条件1 | 条件2 | 出力 |
---|---|---|
false | false | false |
false | true | true |
true | false | true |
true | true | false |
12行目、13行目は、他方の条件で全体が決まる場合は、もう一方の条件判断を省略します。結果としてAndとOrそれぞれの判断と同じになります。
その他の種類の演算子を紹介します。
演算子 | 意味 | 使用例 |
---|---|---|
GetType | 指定された型のオブジェクトを返す | GetType(Integer) |
TypeOf | 指定されたデータ型と比較する | TypeOf num Is Integer |
○ プロジェクト
次のようにプロジェクトを作成してください。
プロジェクトの種類 | コンソール アプリケーション |
---|---|
プロジェクト名 | TypeTest |
○ プログラム
次のようにプログラムを入力してください。
○ 実行結果
データ型取得: System.Int32
データ型判断: True
○ 解説
8行目はInteger型のタイプを取得しています。取得できたのはInt32という構造体です。この構造体は、整数値を保存するほか、整数値を扱う機能なども内部で持っています。今回は、ToString()という機能を使ってデータ型名を表示しています。
9行目は変数numのデータ型がIntegerとして認識できるかを調べています。変数numはObject型ですので汎用型となります。具体的にどのような型で扱うことができるかを調べています。代入したデータはリテラルでInteger型のため、この変数はInteger型として扱うことができます。Double型など他の型かどうかを調べるとFalseが出力されます。