プログラムの中で処理を表現するために、演算子を使用します。次のような種類があります。
値を計算します。
演算子 | 意味 | 使用例 |
---|---|---|
+ |
一方の数値を他方の数値に足す 文字列型の場合は文字列を連結する |
num1 + num2 |
- | 一方の数値を他方の数値から引く | num1 – num2 |
- | 数値の符号を反転させる | -num1 |
* | 一方の数値に他方の数値を掛ける | num1 * num2 |
/ | 一方の数値を他方の数値で割る | num1 / num2 |
% | 一方の数値を他方の数値で割った時の余りを求める | num1 % num2 |
++ | 1加算する(インクリメント) | num1++ |
-- | 1減算する(デクリメント) | num1-- |
<< | 数値のビット・バターンを左にシフトする | num1 << 1 |
>> | 数値のビット・バターンを右にシフトする | num1 >> 1 |
○ プロジェクト
次のようにプロジェクトを作成してください。
プロジェクトの種類 | コンソール アプリケーション |
---|---|
プロジェクト名 | ArithmeticTest |
○ プログラム
次のようにプログラムを入力してください。
○ 実行結果
加算: 13
減算: 7
反転: -10
乗算: 30
除算: 3
剰余: 1
インクリメント: 10
デクリメント: 11
左シフト: 20
右シフト: 5
○ 解説
14~15行目では2つの変数を宣言しています。varキーワードを使って初期化されるデータから型を推論して変数が用意されます。18~27行目で算術演算をして結果を表示しています。今回はConsole.WriteLine()の指定の方法は複合書式指定文字列を使用しています。この方法は、文字列の中に「{}」を指定して、そのあと「,」で埋め込むデータを指定します。
26行目は変数のデータを2進数表現で左側にずらします。1つ、ずらすと10進数で2倍しているのと同じことになります。2つ、ずらすと4倍、3つ、ずらすと8倍と1つ、ずらすごとに2の2乗倍することになります。27行目は変数のデータを2進数表現で右側にずらします。1つ、ずらすと10進数で、2で割っているのと同じことになります。2つ、ずらすと4で割る、3つ、ずらすと8で割ると、1つずつ、ずらすごとに2の2乗で割っていることになります。
計算結果を代入します。
演算子 | 意味 | 使用例 |
---|---|---|
= | データを変数に代入する | num = 2 |
*= | 変数に格納されているデータと乗算し、その結果を変数に代入する | num *= 2 |
/= | 変数に格納されているデータと除算し、その結果を変数に代入する | num /= 2 |
%= | 変数に格納されているデータと除算し、その余りを変数に代入する | num %= 2 |
+= |
変数に格納されているデータと加算し、その結果を変数に代入する 文字列型の場合は文字列を連結し、その結果を変数に代入する。 |
num += 2 str += “2” |
-= | 変数に格納されているデータを減算し、その結果を変数に代入する | num -= 2 |
<<= | 変数に格納されているデータを左シフトし、その結果を変数に代入する | num <<= 2 |
>>= | 変数に格納されているデータを右シフトし、その結果を変数に代入する | num >>= 2 |
○ プロジェクト
次のようにプロジェクトを作成してください。
プロジェクトの種類 | コンソール アプリケーション |
---|---|
プロジェクト名 | AssignmentTest |
○ プログラム
次のようにプログラムを入力してください。
○ 実行結果
代入: 10
乗算: 20
除算: 10
剰余: 1
加算: 3
減算: 2
左シフト: 4
右シフト: 1
文字列: メロンが食べたい。
○ 解説
17行目は変数numに10を格納します。19行目は先ほど格納した「10」に2を乗算して再び変数numに格納します。21行目は先ほど格納した「20」を2で除算して変数numに格納します。23行目は先ほど格納した「10」に3で除算した余りを変数numに格納します。25行目は先ほど格納した「1」に2を加算して変数numに格納します。27行目は先ほど格納した「3」を1で減算して変数numに格納します。29行目は先ほど格納した「2」を左に1ビット分ずらして、変数numに格納します。31行目は先ほど格納した「4」を右に2ビット分ずらして、変数numに格納します(格納される値は1)。
34行目は変数strに文字列「メロンが」を格納しています。35行目で変数strに格納されている「メロンが」に「食べたい。」を文字列結合して、再び変数strに格納しました。
条件を比較してbool値を算出します。
演算子 | 意味 | 使用例 |
---|---|---|
== | 2つのデータが等しいことを確認する | num1 == num2 |
!= | 2つのデータが等しくないことを確認する | num1 != num2 |
< | 一方のデータが他方のデータより小さいことを確認する | num1 < num2 |
> | 一方のデータが他方のデータより大きいことを確認する | num1 > num2 |
<= | 一方のデータが他方のデータ以下であることを確認する | num1 <= num2 |
>= | 一方のデータが他方のデータ以上であることを確認する | num1 >= num2 |
○ プロジェクト
次のようにプロジェクトを作成してください。
プロジェクトの種類 | コンソール アプリケーション |
---|---|
プロジェクト名 | RelationalTest |
○ プログラム
次のようにプログラムを入力してください。
○ 実行結果
等しい: False
等しくない: True
より小さい: False
より大きい: True
以下: False
以上: True
○ 解説
18行目は変数num1の値と変数num2の値が等しいかどうかを判断します。等しくないので「False」が出力されます。19行目は変数num1の値と変数num2の値が等くないかどうかを判断します。等しくないので「True」が出力されます。20行目は変数num1の値が変数num2の値がより小さいかどうかを判断します。小さくないので「False」が出力されます。21行目は変数num1の値が変数num2の値より大きいかどうかを判断します。大きいので「True」が出力されます。22行目は変数num1の値が変数num2の値以下かどうかを判断します。以下ではないので「False」が出力されます。23行目は変数num1の値が変数num2の値以上かどうかを判断します。以上なので「True」が出力されます。
論理演算をしてbool値を算出します。
演算子 | 意味 | 使用例 |
---|---|---|
! | ブール値の論理否定を求める | !(num1 < num2) |
& | 2つのブール値の論理積を求める | num1 > 1 & num1 < 10 |
&& |
2つのブール値の論理積を求める(ショートサーキット) 必要な場合のみ2番目の論理演算を処理する |
num1 > 1 && num1 < 10 |
| | 2つのブール値の論理和を求める | num1 > 0 | num2 < 0 |
|| |
2つのブール値の論理和を求める(ショートサーキット) 必要な場合のみ2番目の論理演算を処理する |
num1 > 0 || num2 < 0 |
^ | 2つのブール値の排他的論理和を求める | num1 == 10 ^ num2 == 5 |
○ プロジェクト
次のようにプロジェクトを作成してください。
プロジェクトの種類 | コンソール アプリケーション |
---|---|
プロジェクト名 | LogicalTest |
○ プログラム
次のようにプログラムを入力してください。
○ 実行結果
否定: True
論理積: False
論理和: True
排他的論理和: False
論理積(ショートサーキット): False
論理和(ショートサーキット): True
○ 解説
18行目は変数num1と変数num2を比較します。今回は「10 < 5」となるので条件としては「false」です。しかし、「!」が付いているので否定として扱われ、「falseではない」つまり「true」と出力されます。
19行目は2つの条件判断の結果をもとに判断します。今回は「num1 > 0」で「true」、「num2 < 10」で「false」となります。この2つの判断の結果を「true & false」のようにさらに判断します。結果は「false」になります。論理積は次のような結果が出力されます。2つの条件が「true」の場合のみ「true」となります。
条件1 | 条件2 | 出力 |
---|---|---|
false | false | false |
false | true | false |
true | false | false |
true | true | true |
20行目は2つの条件判断の結果をもとに判断します。今回は「num1 > 0」で「true」、「num2 < 0」で「false」となります。この2つの判断の結果を「true | false」のようにさらに判断します。結果は「true」になります。論理和は次のような結果が出力されます。2つの条件のうち少なくともどちらか一方が「true」であれば「true」になります。
条件1 | 条件2 | 出力 |
---|---|---|
false | false | false |
false | true | true |
true | false | true |
true | true | true |
21行目は2つの条件判断の結果をもとに判断します。今回は「num1 == 10」で「true」、「num2 == 5」で「true」となります。この2つの判断の結果を「true ^ true」のようにさらに判断します。結果は「false」になります。排他的論理和は次のような結果が出力されます。2つの条件の結果が違えば「true」になります。
条件1 | 条件2 | 出力 |
---|---|---|
false | false | false |
false | true | true |
true | false | true |
true | true | false |
22~23行目は、他方の条件で全体が決まる場合は、もう一方の条件判断を省略します。結果として「&」と「|」それぞれの判断と同じになります。
論理演算をしてbool値を算出し、2つの値のいずれかを返します。
演算子 | 意味 | 使用例 |
---|---|---|
?: | 論理演算を処理し、値を返す | (num1 < 0) ? “-“ : “+” |
VC#は異なるデータ型の変数にデータを代入するときに型をチェックします。基本的には、サイズが大きいデータ型にサイズが小さいデータ型の値を代入することができます。しかし、データが失われる可能性のある代入は、通常の記述ではエラーになります。
例:
double d1 = 10.5;
int i1 = d1; ← エラーになる
データが失われる可能性のある代入は、次のように「キャスト」をすることで代入することができます。
例:
double d1 = 10.5;
int i1 = (int)d1;