コードの記述方法
Javaでプログラムを記述するときのルールを確認しましょう。この節では次の内容を学習します。
■ コメント
プログラムを記述するときに、コメントをつけることができます。コメントは、プログラムの中に記述しますが、実行はされません。コメントを使ってプログラムに説明文などを記述したり、プログラムをコメントにして実行しないようにさせたりすることができます(コメントアウト)。
コメントの書式 |
---|
// コメント /* コメント1 コメント2 */ |
コメントは、「//」で表現します。行の中で「//」以降はコメントとみなされます。また、複数行をまとめてコメントにする場合は「/* */」で表現します。
例:
// ここはコメントです。
/* 複数行の
コメントが記述できます。*/
○ ファイル
次のようにファイルを作成してください。今回は実行しても結果は表示されません。
ファイル名 | CommentTest.java |
---|
○ プログラム
次のようにプログラムを入力してください。
CommentTest.java
- import java.io.*;
- class CommentTest{
- public static void main(String[] args){
- /*複数行の
- コメントが記述できます。*/
- //ここはコメントです。
- int a; //ここにもコメントを書くことができます。
- }
- }
○ コンパイルと実行
C:¥work>javac CommentTest.java
C:¥work>java CommentTest
C:¥work>
○ 解説
5~6行目は、複数行のコメントです。「/*」から始まり、「*/」までがコメントとして扱われます。7行目は、行コメントです。行の先頭に「//」が指定されているので、この行はコメントとして扱われます。8行目は、行の途中に「//」が指定されています。それ以降がコメントとして扱われるため、「int a;」はプログラムとして扱われます。
■ 1文を複数行に分割する
プログラムを記述しているときに、1文が長くなり、見づらくなることがあります。Javaは「;(セミコロン)」までを1文として扱います。プログラムの途中の区切りの良いところで改行することができます。文字列を複数行で指定する場合は、「+」演算子を使って文字列結合をします。
1文記述の書式 |
---|
~プログラム文; |
例:
System.out
.println(“改行”);
String str = “abc”
+ “def”;
○ ファイル
次のようにファイルを作成してください。
ファイル名 | DivideTest.java |
---|
○ プログラム
次のようにプログラムを入力してください。
DivideTest.java
- import java.io.*;
- class DivideTest{
- public static void main(String[] args){
- String str;
- str = "abc"
- + "def";
- System.out
- .println(str);
- }
- }
○ コンパイルと実行
C:¥work>javac DivideTest.java
C:¥work>java DivideTest
abcdef
C:¥work>
○ 解説
6行目では、変数strに文字列「abc」を代入しています。Javaプログラムは「;」で一つの命令文の指定が終わりますが、この行では指定されていないので7行目に続きます。7行目では、文字列「def」を6行目の文字列に結合をしています。この行に「;」があるので、6、7行目が一つの命令文として扱われます。
8行目では、プログラムの途中で改行がされています。本来は「System.out.println(str);」を1行で指定する予定でしたが、この行では途中で改行しています。9行目に続きます。9行目では、8行目のプログラムの続きが記述されています。このようにプログラムの途中で改行する場合は区切りの良いところで行います。
■ 大文字と小文字の区別
Javaでは識別子(この後見ます) は大文字と小文字を区別します。そのため、プログラムを入力する際、識別子の大文字と小文字に注意してください。
■ 予約語
Javaで既にキーワードとして登録されている予約語があります。これと同じ変数名や関数名(メソッド名)をつけることはできません。
abstract | continue | for | new | switch |
assert | default | if | package | synchronized |
boolean | do | goto | private | this |
break | double | implements | protected | throw |
byte | else | import | public | throws |
case | enum | instanceof | return | transient |
catch | extends | int | short | try |
char | final | interface | static | void |
class | finally | long | strictfp | volatile |
const | float | native | super | while |
_(アンダースコア) |
■ 識別子
変数や関数(メソッド)やクラス(後ほど学習します)に名前をつける際にはルールがあります。この名前を識別子といいます。予約語以外で、かつ、次のようなルールに従った識別子をつける必要があります。
英文字 数字 アンダーバー(_) (数字は先頭につけることができない)
例:
abc ← OK _abc ← OK abc1 ← OK
1abc ← NG